エコキュートはとてもランニングコストが安く、初期費用を含めたトータルコストは10年間(給湯器の寿命)でガス給湯器と比較して約25~47万円も安いのですが、なぜこんなにもランニングコストが安くなるのでしょうか。今回はなぜランニングコストが安くなるのか、その理由を解説していきます。
エコキュートはランニングコストが安い
上にも書きましたが、エコキュートのランニングコストは非常に安いです。
10年間のランニングコストだけでも、ほかの給湯器と比較するとこんなに違います。
- ガス給湯器:約72~130万円
- 電気給湯器:約80~110万円
- エコキュート:約20~33万円
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
エコキュートは効率的にお湯を沸かしている
給湯器のランニングコストはお湯を沸かす際のエネルギーにどれくらいお金がかかるかで計算しています。
ガス給湯器だったらガス料金だったり、従来型の電気温水器やエコキュートだったら電気料金です。
エコキュートも電気温水器も同じ電気を使ってお湯を沸かしているのに、なぜ電気給湯器とこんなにも差が生まれてしまうのでしょうか。
なぜならエコキュートは効率的にお湯を沸かしているからなのです。
ヒートポンプの仕組み
エコキュートが効率的にお湯を沸かしているのですが、それではどのようにして効率的にお湯を沸かしているのでしょうか。
その秘密はヒートポンプです。
ヒートポンプと言われてもあまりピンとこない人も多いと思いますので、解説していきたいと思います。
ヒートポンプは簡単に言うと空気が持っている熱を取り込み、その熱でお湯を沸かす仕組みのことを言います。
具体的に説明していきます。
まず、エコキュートはお湯をためておくための貯湯タンクと、お湯を沸かすためのヒートポンプユニットというエアコンの室外機のような機械とがセットになって動いています。
ヒートポンプユニットには圧縮機と膨張弁が配管でつながっており、そこを冷媒という気体が通るようになっています。
冷媒というのは膨張させると温度が冷えて、圧縮させると温度が上がるものと思ってください。
それではお湯ができるまでの工程を次の4ステップにまとめましたので一つずつ説明していきます。
- 冷媒を膨張させて冷媒の温度を下げる
- 冷えた冷媒を外の空気にあてて温める
- 温まった冷媒を圧縮して冷媒の温度を上げる
- 熱くなった冷媒で水を温める
まずはステップ1.
冷媒を膨張させると冷媒の温度が下がります。
この時冷媒は益20度からマイナスの温度まで下がると思ってください。
次にステップ2.
マイナスまで冷えた冷媒を外の空気にあてます。
そうすると外の空気の温度が例えば20度くらいだとすると冷媒の温度は約10度くらいまで温まります。
そしてステップ3.
膨張した冷媒が10度くらいまで上がっているのでこの冷媒を圧縮していきます。
圧縮すると冷媒の温度が上がるのですが、この温度がなんと約90度くらいまで上がります。
最後にステップ4.
約90度の冷媒の温度を水に移し(これを熱交換と言います)、熱いお湯を作ります。
この4ステップのうちで電気を使っているのは冷媒と水を循環させるポンプと、冷媒を圧縮させるための圧縮機だけです。
これだけなので本当に少ない電力でお湯を沸かすことができるのです。
最後に
ヒートポンプの仕組みがわかりましたでしょうか。
ヒートポンプ方式のエコキュートは従来型の電気温水器のような直接ヒーターで水を温める方式の3倍以上効率が良いと言われていて、最上位機種だと4倍以上の効率の機種も発売されています。
ぜひ給湯器を選ぶきっかけにしていただけたら幸いです。
以上
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